診療予約システムとは?メリット・デメリットと選び方5つのポイント

2022.4.1

医院の開業を考えている方に向けて、診療予約システムとはどのようなものか、概要や選び方を解説していきます。

 

最近では病院の予約もインターネットからできるようになりました。

開業や医院のホームページ作成を始められる方の中には、「自院で診療予約ページを作成しよう」と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし専用の診療予約システムを活用すれば、自院で作成する手間もなく、もっと便利な予約システムを構築できます。

 

専用の診療予約システムとはどのようなメリット・デメリットがあるのか、選び方とともに解説。

これから診療予約をインターネットからとっていきたいと考えている方は、ぜひ記事をご覧になってシステムの特徴や選び方について知識を深めていきましょう。

 

診療予約システムとは

 

診療予約システムとは、患者さんがインターネット上で病院を予約できるシステムのことです。

インターネット環境と端末さえあれば、時間と場所を問わず、いつでも病院の予約ができるようになります。

これまでは病院に電話をかけたり、通院の際に受付に伝えたりして予約をとるのが一般的でした。

しかし診療予約システムがあれば電話や通院時の予約は不要となります。

診療予約システムとはインターネット上で通院の予約ができるようになり、これまでの方法での予約が必要なくなるシステムなのです。

 

診療予約システムの種類

 

診療予約システムの種類には、大きく分けて2つあります。

 

順番制の予約システム

 

順番制の診療予約システムとは、受け付けた順番に予約をとる方式のシステムです。

インターネットから予約をした順番が、そのまま診療を受けられる順番となります。

たとえば1日の中で、最も早く予約した方が1番目の予約者となるので「1番の患者さん」です。

次に予約をした方が「2番の患者さん」、さらに次が「3番の患者さん」…となります。

病院側は「1番の方」「2番の方」と、次々に予約をした患者さんを呼べることがメリットです。

ただし患者さん側としては、希望する日時に予約ができないというデメリットを感じるかもしれません。

順番制の予約システムとは、受け付けた順番で予約をとるシンプルなシステムです。

 

時間制の予約システム

 

時間制の診療予約システムとは、患者さんが日時を指定して予約するタイプです。

インターネット上から患者さんが希望する日程と時間を指定して、もし対象の日時が空いていれば予約をとれます。

順番制の予約システムが時間を選べなかったのに対し、時間制は患者さんが診療時間を選べることが最大の違いです。

そのため患者さんにとっては、自分の都合の良い時間に診療を受けられるメリットがあります。

しかし病院側は、もし1人前の患者さんの診療が早めに終わっても、予約時間にならなければ次の患者さんを診られないデメリットが感じられるでしょう。

反対に1人前の患者さんの診療が長引いた場合は、予約時間に病院にやってきている患者さんを待たせてしまうことになります。

時間制の予約システムとは以上のように、患者さんが日時を指定するタイプのシステムのことです。

 

予約システム導入のメリット・デメリット

 

それでは診療予約システムとはどのようなメリット・デメリットを持つのか見ていきましょう。

 

予約システム導入のメリット

 

予約システムを導入することには次のようなメリットがあります。

 

【メリット】

  • 新規患者を獲得しやすくなる
  • 再診率向上が期待できる
  • 待ち時間の緩和に役立つ
  • 予約の均衡がとれる
  • 予約の状況が把握しやすくなる
  • 受付の対応を簡略化できる
  • 予約の人為的ミスが軽減される
  • 無断キャンセル率が減る
  • 院内感染しにくくなる

 

 

新規患者獲得や再診率向上は、医院にとって大きなメリットと言えます。

また待ち時間を緩和できること、予約の均衡がとれること、予約状況が把握しやすくなることなど業務の効率化にも効果的です。

予約の均衡がとれると院内感染の危険性が減るなど、病院にとって多数のメリットが考えられます。

 

予約システム導入のデメリット

 

予約システム導入にはメリットだけではなく、次のようなデメリットもあります。

 

【デメリット】

  • 病院側で予約の調整ができない
  • 高齢の患者さんにとってわかりにくい

 

患者さんが希望の日時に予約できるようになると、病院側で予約の調整ができず予約に偏りが出る可能性があります。

また高齢でインターネットに馴染みのない患者さんにとって、わかりにくいと感じられることもあるでしょう。

 

診療予約システムを選ぶポイント

 

診療予約システムを選ぶ際には、選び方のポイントを押さえてから選ぶことが大切です。

 

ポイント1:目的・用途を考えて選ぶ

 

まずは目的や用途を考えて選ぶことが大切です。

予約システムには「順番制」「時間制」の2種類があると解説しました。

自院がどのように予約をとっていきたいか、どのように予約をとるのが効率的か考えてみてください。

たとえば診療時間が短いなら順番制で次々と患者さんを呼べるほうが効率的でしょう。

しかし時間をかけてじっくりと診療を行うなら、時間制にしたほうが患者さんにとって無駄がありません。

診療予約システムを選ぶ際には、目的や用途を考えて、自院にあった種類のシステムを選ぶことをおすすめします。

 

ポイント2:システム構成による違いから選ぶ

 

診療予約システムの選び方として次に着目したいのは、システム構成による違いです。

システムには専用の機器を病院内に導入しなければならないタイプと、パソコンだけで操作できるタイプの2種類があります。

専用の機器を導入するタイプはモニターつきの専用機器を病院内に設置し、すべての操作をモニター上で行うようになります。

専用機器の導入には設置場所の問題などもあります。

どちらのシステム構成が自院にあっているか、インターネット環境や空きスペースも含めて考慮してください。

 

ポイント3:価格から選ぶ

 

診療予約システムを選ぶ際には、価格も重要なポイントとなります。

月額制で気軽に使い始められるものもあれば、高額な初期費用が必要となるシステムもあるからです。

システム構成から考えると、専用機器を導入するタイプの方が高額となる傾向があります。

しかしシステムの価格が安ければ良いというわけではありません。

価格と機能のバランスがとれたシステムを、自院の予算内で利用することが大切です。

システムを選ぶ際には価格を確認して、費用対効果が高く、自院に適していると思われるものを選んでください。

 

ポイント4:連携の可否から選ぶ

 

病院内ですでに利用しているシステムと連携できるかどうかも選ぶ際のポイントです。

連携ができなければその都度、複数のシステムを使って確認作業を行わなければならなくなります。

たとえば電子カルテ・レセコンと診療予約システムを連携できれば、予約の時点で患者情報を確認可能です。

もちろん連携されなくても良いという場合もあるでしょう。

しかし連携が必要だと思われるなら、現在利用しているシステムとの連携の可否をチェックしておくことは大切です。

 

ポイント5:患者側の使いやすさから選ぶ

 

診療予約システムの選び方として、病院側の利便性だけでなく、患者側の使いやすさを考えることも欠かせません。

患者にとって使いにくいシステムであれば、再診率や新規患者数が思うように増えなくなることもあり得るでしょう。

予約システムの中には患者が専用のアプリをダウンロードする必要があったり、会員登録が必須となっていたりするものもあります。

病院のホームページをブラウザで開き、簡単に予約ができるものとは患者側からの利便性は大きく変わるはずです。

病院側の利便性も重要ですが、患者側の立場に立って、使ってもらいやすいシステムを選んでください。

 

診療予約システムの価格相場

 

診療予約システムの価格相場は、利用するシステムのタイプにより変わります。

フルスクラッチ開発のシステムであれば、300~1,000万円と高額です。

しかしASP・パッケージのシステムを利用するなら、月額4,000~5,000円程度と手頃な価格で始められるものもあります。

またクラウドサービスなら月額1,000円程度と非常に安価なシステムも。

無料でお試しできるものもあるので、診療予約システムとはどういうものか知りたい場合や体験してみたい場合は、まずは無料で試されてみてはいかがでしょうか。

 

クリニック開業時に考えたいオンライン診療とは

ここまでで診療予約システムについてご紹介してまいりました。診療予約システムは、患者側にとってもクリニック側にとっても、時間把握がしやすくなることをご紹介いたしました。

 

病院に行く時間を確保できない人は多くいます。そんな時におすすめな‟オンライン診療”が人気がでてきています。

 

こちらの記事でオンライン診療について詳しくご紹介しておりますので、ぜひ併せてぜひご覧ください。

 

クリニック開業時に考えたいオンライン診療とは?ポイントも確認

 

診療予約システムは病院・患者の双方にメリットがある

 

いかがでしたでしょうか?今回は、診療予約システムの選び方やメリット・デメリットについて解説/紹介してきました。

自社にとって診療予約システムが必要か判断する材料となりましたでしょうか?

 

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