神戸で医院開業をする際のポイント

2020.3.2

兵庫県・神戸市のクリニック開業動向

独立・開業を検討している医師の方にとって、まずはどこで開業すべきか悩まれるかと思います。兵庫県のなかで一度は頭をよぎるのが、診療所の数が多い激戦区の神戸市でしょう。

 

神戸市を含む兵庫県は診療所(開業医)が多く、ライバルがひしめきあっていることもあり、需要が見込めないと考えるかもしれません。しかし、場所や診療科目を選ぶことで意外と需要はあります。

 

そこで、この記事では兵庫県および神戸市のクリニック開業動向と、特に需要が見込める診療科目について詳しく紹介します。

 

兵庫県のクリニック開業動向

厚生労働省が発表している「平成30(2018)年医療施設(動態)調査・病院報告」によると、兵庫県内の一般診療所の数は2018年10月1日時点で5,071施設です。首都である東京都の1万3,429施設や大阪府の8,481施設よりも少ないながら、神奈川県や愛知県、福岡県とともに国内でも施設数が多い県となっています。

 

全区平均が2,172施設であり、2,000施設以下や1,000施設以下の都道府県が多いなか、平均に比べて倍以上の一般診療所が開業していることになります。同じ統計でも、2015年では5,002施設、2016年は5,033施設、2017年が5,053施設と、少しずつ増加している傾向です。

 

人口10万人あたりの施設数に換算すると、兵庫県は92.5施設です。全国平均が80.8施設となっていることに比べると上回っています。人口あたりの施設数としては、東京都や大阪府、京都府などの大都市で95施設を超えていますが、必ずしも人口自体の多い県だけが人口あたりの施設数も多いとは限りません。和歌山県や島根県、長崎県などは100施設を超えており、それらの県に比べると、まだ開業できる余裕があります。

 

兵庫県は「日本の縮図」と呼ばれているように、地域によって気候や風土、街の様子などにかなり違いがある県です。県内は神戸や阪神エリアを含む摂津とその西側に広がる播磨、北部の但馬、京都府寄りの内陸部に位置する丹波、瀬戸内海の淡路の5地域にわけられます。一般診療所の数に関しては人口が集中する摂津地域や播磨地域に比べると、丹波や但馬地域など十分とはいえないエリアもあるのが実情です。そのため、開業場所や必要とされる診療科目を検討すれば需要を得られるでしょう。

 

神戸市のクリニック開業動向

兵庫県のデータと同じく厚生労働省発表の「平成30(2018)年医療施設(動態)調査・病院報告」によると、神戸市内の一般診療所の数は2018年10月1日時点で1,582施設です。全国の指定都市・特別区のなかでは東京都の区部が1万施設以上、大阪市と横浜市が3,000施設以上、名古屋市が2,000施設を超えています。神戸市は福岡市や京都市と同じくらいの施設数で、他の指定都市の多くが1,000施設に届かない状況と比べると多いほうです。また、中核市が200施設程度から500施設あまりの数であるのに比べても、神戸市は診療所の開業数が多い都市だということがわかります。

 

同じ統計結果で人口10万人あたりの施設数では、神戸市は103.6施設です。他の指定都市・特別区では相模原市で58.1施設、川崎市が65.1施設など少ない市があるうえ、100施設に満たさないところも多くあります。100施設を超えるのは指定都市・特別区のなかでは5つだけで、神戸市は108.0施設の東京都の区部とほとんど違いがありません。このことからも神戸市は、県内はもちろん全国的にも多数の診療所が集まっている街だとわかります。

 

以上のように、神戸市は兵庫県内でも充実した医療環境が整っています。なかでも、もっとも多い診療科目が約800施設の内科で、消化器内科(胃腸内科)と小児科が250~300施設程度です。神戸市は診療所も医師も多い街ですが、もともと関西では大阪市や京都市などと並び人口も多い主要都市のひとつです。さらなる地域医療の充実を図るためにも、開業医はまだまだ求められている状況です。

 

需要が高い診療科目は?

家族の健康管理はもちろん、体調を崩したときすぐに診療してもらえるかかりつけのクリニックとして内科の需要は多くあり、一般診療所の数としても他の診療科目を圧倒しています。

 

また、高齢化の進む日本国内の状況を鑑みると、今後も高齢者に対する医療の需要が高まる傾向は神戸市も例外ではありません。実際に神戸市でも高齢化率が増していくことが予測されているため、在宅医療に対応できる医療施設のニーズも高まっています。

 

子どもの医療に関して専門的な診療やケアができる小児科も、比較的需要が高い診療科目です。そのため、内科ほどではないものの市内に多く点在しています。特に子育て世代が多く住むエリアに小児科医が少なければ需要が高くなります。

 

一方で、神戸市内でもっとも数が少ないのは産科です。特に産科では女性の医師を望む患者も多いため、女性医師が在籍する産科クリニックは需要が見込めるでしょう。どんな診療科目でも、飽和状態にあるエリアでは後続で開業して運営を軌道に乗せるのは大変なこともあります。そのため、地域の状況とニーズを把握したうえで開業することが大切です。

 

神戸での開業医は需要あり。診療科目を選べば更なる需要も。

神戸市は、関西地方でも屈指の大都市であり、兵庫県の中でも人口が集中しています。医療面においても全国各都市と比較して診療所の数が多い街です。エリアによって必要とされる医療施設が多少異なることもあるため、ニーズに合わせて開業すれば、まだまだ活躍することができるでしょう。

 

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