家族経営のクリニックだからこそのメリットと注意すべきデメリット

2022.4.1

独立してクリニックを開業したいと考えている医師の中には、家族経営が気になっている方もいるでしょう。実際に家族経営を行っているクリニックは非常に多いです。必ずしも法人化をする必要はなく、個人事業主の形で家族経営をする選択肢もあります。

 

そこで、家族経営でのクリニック開業について検討している方のため、メリット、デメリットについて紹介します。何をメリット、デメリットと感じるのかは個人差が大きいです。

それぞれを理解して比較することにより、自分の場合は家族経営が向いているのかどうか判断できるようになるでしょう。

 

クリニックの家族経営のメリット

家族でクリニックを経営しているケースが多いのは、家族経営にさまざまなメリットがあるからです。代表的なメリットから紹介します。

 

メリット1 税金対策の優位性

自分一人ではなく、家族も従業員として働いてもらうことにより税金面で得をすることがあります。例えば、個人事業主としてクリニックを経営している方の場合、専従者控除制度が利用可能です。

これは、事業主と同一生計の15歳以上の家族や親族間で、年の半分以上をその事業に専念した場合に活用できる制度をいいます。対象となる方に対しては、給料を支払うことが認められているだけでなく、その金額は経費計上が可能です。

他の仕事をしていて空いた時間に少しクリニックを手伝う程度では認められません。青色申告をする場合は、税務署に対して届け出が必要です。

 

また、医療法人になった場合も、妻や妻以外の家族を非常勤役員とし、非常勤報酬を支払えます。売上からその分を経費として減額できるので、結果的に法人税を抑えることが可能です。

 

メリット2 急な対応などで無理を頼みやすい

家族以外の従業員に対し、頼みにくいような業務や、状況があります。例えば、急に出勤できなくなってしまった従業員がいる場合、他の従業員に代わりに出て欲しいと言いづらいケースもあるでしょう。

ですが、家族経営であればお互いに助け合う環境が整っているため、無理なお願いもしやすいです。

 

メリット3 金銭面で信用しやすい

従業員に対し、金銭の管理を任せるのは少し不安に感じてしまうこともあるはずです。実際に売り上げを持ち逃げされたようなニュースもありますし、慎重になったほうが良いでしょう。家族が金銭面の管理を担当してくれれば安心につながります。

 

メリット4 アットホームな職場づくりが可能

家族経営だと気心の知れたメンバーが職場にいるため、リラックスして働けます。特に、従業員も家族の一員として考えてくれているような企業の場合、職場の雰囲気はとても和やかです。

家族以外の従業員としても、アットホームな職場は子どもが急に熱を出した時などに休みの相談をしやすいと感じている方もいます。

 

メリット5 急に辞められてしまう心配がない

従業員の中には、突然何も言わずに辞めてしまうような人もおり、こういったことが起こるとクリニックの経営に支障が出てしまいます。ですが、家族であればそのような心配はほとんどありません。

 

クリニックの家族経営のデメリット

家族経営はメリットばかりではありません。次のようなデメリットを感じることがあります。

 

デメリット1 一度揉めるとなかなか収拾がつかない

家族内で揉めごとが発生した場合、収拾がつかないことがあります。

お互いに意地になって無視するようなことになれば、同じ職場で働く他の従業員にも迷惑をかけてしまうでしょう。下手をすると他の従業員がうんざりしてしまい、辞めてしまうことも考えられます。

 

デメリット2 従業員が疎外感を覚えてしまうことがある

医師とその妻の2人で家族経営を行う様の場合はあまり心配ありませんが、息子や娘、その他親族も働くとなると、他の従業員が疎外感を覚えることがあります。

身内でしかわからない話で盛り上がったりすることがあれば、なおさらです。

家族で食事をする際にクリニックに関する重要なことを決めてしまい、あとから従業員が「そんな話全く聞いていない」と不満を覚えることもあります。

 

デメリット3 信頼しすぎがミスにつながる

長年一緒にいる家族だと、1から10まですべて言わなくても気持ちが伝わることがあります。ですが、これを過信するとミスが起こることがあります。

例えば、消耗品などの発注について「言わなくてもやってくれると思った」とか、業務に対して「言わなくても理解してくれると思った」といったトラブルが多いです。

 

デメリット4 他の従業員が気を使う

例えば、院長の奥さんが看護師として働いていたとします。こういった場合、看護師からすると同じ看護師仲間でありながら院長の奥さんでもあるので、少し距離感が難しくなってしまうでしょう。

例えば「仕事などについて愚痴を言ったら、院長に伝わってしまうのではないか」と感じ、距離を取られてしまうことがあります。

 

デメリット5 ひいきから不審・不満感が生まれる

家族経営でよくあるのが、他の従業員よりも家族をひいきしてしまう問題です。例えば、他の従業員からの休み希望にはなかなか応じないのに、家族は好きなときに休めるようなケースもあります。

他にも、明らかに家族とその他従業員では担当する業務内容や業務量に差があり、従業員から不満が募ってしまうことも少なくありません。

 

クリニックにおける一般的な採用の流れや方法

クリニックを家族経営するにあたって、家族のみの開業は大変です。

 

その際、従業員を雇用することになります。従業員を採用するにあったてどんなことが大切なのかわからない方もいらっしゃると思います。こちらの記事で、一般的な採用の流れや方法、また人材を見極めるポイントを詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。

 

採用する際はクリニックの集客にも関わりますので、慎重に、そして自分のクリニックにあった人を見つけることが大切です。

 

クリニックにおける一般的な採用の流れや方法と人材の見極めポイント

 

自分に向いているのはどちらか慎重に判断が必要

いかがでしたでしょうか?家族経営について知りたい方のため、おさえておきたいメリットやデメリットなどについて紹介しました。自分に家族経営が向いているかどうか見えてきたのではないでしょうか。

 

まだ判断がつかない方は、ぜひ専門的な目線でアドバイスが可能なプラザ薬局までご相談ください。資金に関する相談や、税理士など専門家の紹介にも対応しています。

 

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