クリニックにおける一般的な採用の流れや方法と人材の見極めポイント
2022.4.1
クリニックの開業について検討しているのであれば、一緒に働いてくれるスタッフの募集についても考えましょう。
ですが、クリニックの人材採用についてよくわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
「どのような流れで募集するのかわからない」「具体的な方法が知りたい」と困っている方のため、採用の詳細を紹介します。この記事を読むことによって、クリニックの開業前にしっかりおさえておきたい採用準備のポイントがわかります。
信頼できるスタッフを雇い、安心してクリニックの開業につなげていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
クリニックでの一般的な採用フロー
まずは全体的な採用フローからおさえておきましょう。以下のような流れになるのが一般的です。
- 採用基準の検討
- 求人方法の検討
- 求人広告の掲載
- 書類選考と面接日の調整
- 面接
- 顔を合わせ・研修
大きな病院とは異なり、クリニックでは限られたスタッフで協力しながら業務に取り組んでいくことになります。そのため、しっかり活躍してくれるスタッフを採用できるように採用基準について考えておかなければなりません。
スタッフの採用スケジュール
採用活動にはどうしても時間がかかります。クリニックの開業準備でも何かと忙しい時期ではありますが、前もって準備を進めておくことにより質の良いスタッフ採用につながります。
その後のクリニックの評判などを左右するポイントにもなってくるので、慎重に検討が必要です。全体的なスケジュールを検討するなかで目安となるポイントについて解説します。
スケジュール1 開業の半年前
有資格者のスタッフは求人をかけてもなかなか見つかりません。場合によっては半年以上前から検討が必要です。ギリギリになって募集をかけたところ見つからないケースが多いので、焦らないですむように有資格者だけでも早めに募集をかけておきましょう。
スケジュール2 開業の3から4ヶ月前
余裕を持って行うためにも、開院の3ヶ月以上前から採用のための準備に取り組んでおいた方が良いでしょう。どの求人媒体を利用するのか、どういった求人広告を出すのか詳細な検討が必要です。
スケジュール3 開業の2ヶ月前
求人広告を掲載するのはできれば開院の2ヶ月ほど前、遅くとも1ヶ月半前には掲載しておかなければなりません。
応募が集まったら面接予定日を調整する必要があります。すぐにお互いの都合が合うとは限らないので、ある程度日時調整に苦戦する可能性が高いです。余裕を持った調整ができるように早めの準備が必要です。
スケジュール4 開業の1ヶ月前
開業まで40~30日程度の段階になったら、採用通知を送付し、顔合わせの日時設定を行います。ユニフォームの導入についても開業1ヶ月前あたりまでには詳細をまとめておきたいところです。
スケジュール5 開業まで1ヶ月を切ったら
開業まで1ヶ月を切ったタイミングで顔合わせをするケースも多いです。また、実際に開業してから慌てずに済むように、研修も行っておきましょう。特に未経験者の方を採用する場合、スタッフ研修にはしっかり時間を取っておいたほうが良いです。
スタッフの主な採用方法
スタッフの採用方法には実にさまざまな方法があります。
いくつか複数組み合わせて行うのが効果的です。特に、準備を行うのが遅くなってしまい、求人を出せる期間が短いような場合は複数の採用方法を実践しましょう。
代表的な採用方法について4つ紹介します。
採用方法1 ハローワーク
無料で求人を出せる方法を探しているのであれば、ハローワークから検討すると良いでしょう。ネットや電話を活用して事業者登録から募集手続きまで行えるので、直接出向く時間がない方にもぴったりです。
掲載した情報はIndeedなどのポータルサイトにも公開されるので、ぜひとも利用しておきたいサービスです。特に地元密着型の求人に取り組みたい方に適しています。
採用方法2 人材紹介会社
人材紹介会社を活用すれば、短期間で人材を見つけられる可能性が高いです。医療従事者を専門とした人材紹介サイトであれば、多少厳しい条件でも該当するスタッフを探してもらえる可能性があります。
ただし、採用した人の現在の年収の20~30%が人材紹介手数料として引かれる形になってしまうので、費用面で見ると高額です。その他の方法から検討し、見つからない場合は人材紹介会社を使うなど工夫してみてはいかがでしょうか。
採用方法3 広告媒体
折込チラシ・地域版新聞のほか、求人広告媒体などの方法があります。
折込チラシ・地域版新聞
折込チラシや新聞版の広告を使用した方法は古くから活用されており、いまだにこれらの情報元を利用している方もいます。他の情報に紛れてしまうことも多いので、自院ならではの魅力などがわかりやすく伝わるような書き方の工夫が必要です。
求人広告媒体
求人ポータルサイトを中心とした広告媒体での募集も効果的です。近年は、インターネットを使って求人情報を探す方が増えてきました。そのため、オンラインの広告媒体への掲載を検討してみるのがおすすめです。
他社の情報なども参考にしながら、魅力的に見えるような広告を作ることが欠かせません。
採用方法4ホームページ
自院のホームページに求人情報を掲載しておくのがおすすめです。また、採用向けのホームページであるLPも作成しておきましょう。
自院のホームページでは、自由な表現が可能です。そのため、ハローワークや広告媒体には掲載できないような形で自院をアピールできる魅力があります。テキストだけでなく、動画や画像、その他工夫をしながら取り組んでいくのがおすすめです。
採用活動を進める時期について
採用活動を始める時期は、早い方が良いです。有資格者の募集は早めに行っておきましょう。優秀な人材が転職先を探して応募してくれることもありますが、そういった人材は退職までに時間がかかることが多いです。
開業の直前になってから採用を決めても、すぐに働けず、スタッフ不足に陥ってしまうことがあるので注意してください。
有資格者以外の通常スタッフについては、それほど焦って募集をかける必要はありません。例えば、開業の半年前に採用広告を出し、すぐに採用が決まったとしましょうも。ですが、実際に開業までには時間があり、その間働けず困らせてしまうことになります。
研修を行うにしても半年までの期間は必要ありません。自院で行う研修の内容も含めていつまでに採用を確定しておけば良いのか検討が必要です。
採用すべき人材とは
当然のことではありますが、応募してくれた方を無条件で全員採用するわけにはいきません。あらかじめどのような方を採用するのか、採用基準を定めておきましょう。
採用すべき人材を考えるにあたり、おさえておきたいことについて解説します。
採用すべき人材1 一緒に働きたいと思える人
開業後はお互いに支えあってクリニックを形成していくことになるため、一緒に働きたいと思える人を重視するのがおすすめです。
例えば、コミュニケーション能力が高く協調性がある、責任感をもって仕事をしてくれる人などは、一緒に働いた際に頼りになります。採用が決まった後も熱心に勉強してくれる方や、向上心のある方も良いでしょう。
同時に考えたいのが、一緒に働きたいと思えない人についてです。例えば、いつも自己中心的で言い訳ばかりしている人、向上心が全くない人を採用してしまうと大変な思いをすることになります。
このポイントを明確にしておくことにより、採用基準がより具体的なものになるでしょう。採用するかどうか悩むような人がいたとき、一緒に働きたいか、働きたくないかで判断する方法もあります。
採用すべき人材2 患者さんから好かれる人
クリニックで働く以上、患者さんとも触れ合うことになります。患者さんに好印象を与えられる人物かどうかも考えた上で採用に関して検討が必要です。
例えば、高圧的で言葉遣いがきつい、全く笑わない、声が小さくて何を言っているか聞こえないといった人は、患者さんを不安にさせる可能性があります。
選考時のポイント
優秀な人材を見極めるためには、慎重に選考が必要です。特に、書類選考、面接で確認しておきたいポイントがあります。
ポイント1 書類選考
種類では不備がないかよく目を通しましょう。明らかな不備がある場合、最低限の確認ができない方、さらに言えばマナーが守れない方と判断できます。
当然ながら文字が丁寧に書かれているか、やる気が伝わってくるかなども重視したいポイントです。
ポイント2 面接
面接で聞きたいことがあれば、あらかじめ質問を準備しておきます。志望動機や自己PRのほか、前職の退職理由なども確認しておいた方が良いでしょう。
その際、第一印象や相手の態度、マナーなどについてもチェックします。前の職場の悪口を言う方や、態度、言葉遣いが悪い方は避けた方が良いです。
採用活動時の注意点
何より重要といえるのが、応募者から信頼してもらえるような対応をすることです。例えば、採用を決定しているのに内定通知を出すのが遅くなってしまえば、相手を不安にさせてしまいます。
こちらが雇う側だからといって上から目線になるのではなく、誠意をもって対応しましょう。
それから、内定通知書を出したあとは内定承諾書に署名・押印してもらうのも忘れないようにしてください。開業までに数ヶ月時間がかかるような場合はその間に他のクリニックに移られないよう、特に注意が必要です。
採用スタッフによりクリニックの評判が左右される
いかがでしたでしょうか?クリニックを開業するにあたり、慎重に検討しておきたい人材採用のポイントについて紹介しました。何に注意すべきなのかがご理解いただけたのではないでしょうか。
優秀な人材や、患者さんから好かれる人材を見極めるのは簡単なことではありません。人材採用について不安を感じているのであれば、プラザ薬局までご相談ください。プロ目戦でのアドバイスのほか、資金などについてもご相談いただけます。税理士など専門家の相談もできるので、お気軽にご連絡ください。
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