医院開業のリスクマネジメント

2021.12.10

ご自身の医院を開き、開業医となることは、大変刺激的かつ魅力的なことです。

医師として描いている理想の医療を追い求め、収入をさらに増やしていくためには開業が非常に重要な選択肢となるでしょう。

しかし、医院開業においては、こうした魅力的な部分にばかり目を向けていてはいけません。

医院開業には、経営者としてさまざまな危険に対するリスクマネジメントの考え方を理解し、実施していくことが大切でしょう。

そのためこの記事では、医院開業に必要なリスクマネジメントの考え方について解説します。

 

開業時のリスクマネジメントとは

 

ここでは、開業時のリスクマネジメントについて解説します。

 

そもそもリスクマネジメントとは

 

そもそもリスクマネジメントとは、起こりうるリスクに対してできる備えをしておく考え方のことを指します。

リスクマネジメントはさまざまな現場で使用されている言葉であり、とりわけ企業活動では重要な経営管理手法として認識されています。

 

開業時に必要なリスクマネジメント

 

医院の開業においても、リスクマネジメントの考え方は非常に重要でしょう。

医院経営において考えられるリスクには、以下のようなものが挙げられます。

 

医院経営において備えておきたいリスク

  •   ・診療行為に関するリスク
  •   ・経営維持に関するリスク
  •   ・家族にかかる負担に関するリスク
  •   ・従業員の労務管理リスク
  •   ・患者や従業員間で発生するトラブルに関するリスク

 

医師として活動するうえでは、診療行為の結果から発生するリスクには備えておかなければなりません。

人命を預かる以上は、ベストな処置をとったとしても間に合わないことがあります。

そのため、医療事故や医療紛争には備えておく必要があるでしょう。

 

また、医院を開く以上は、医師としてだけでなく経営者としての責任も発生します。

そのため、経営を維持する中では多くの問題に対処しなくてはなりません。

 

さらに、医院の経営は簡単なものではなく、医師だけでなくその家族にかかる負担も大きなものだといえます。

負担によって家族に起こりうる事態についても、開業時には考えておかなくてはなりません。

収入が不安定になる部分についても、家族のためにしっかりと備えておくことが重要でしょう。

 

さらに、人材採用や労務管理などに関するリスクも、開業においては考えなければならないひとつです。

スタッフの管理やモチベーション管理、そして自分自身が休まなければならないときの対応体制についても考えておく必要があります。

 

ここまでのリスクを大きく2つに分けると、「自分や家族の経済的リスク」と「事業継続に関するリスク」の2つに整理できるでしょう。

 

所得補償保険を準備

 

万が一自分が働けなくなってしまった場合における経済的損失に備えるためには、所得補償保険への加入が考えられるでしょう。

所得補償保険とは、保障の対象者が病気や怪我などで働けなくなった際の収入を補償する保険商品のことです。

 

勤務医の場合は、休業しても一定の保証が組織や自治体などからなされます。

しかし開業医の場合、自分が休んでしまえばその分の収入を保障してくれる人はいません。

休業期間が長引けば、ダイレクトにその分だけ収入が得られなくなってしまうのです。

そのため、個人で事業をしている場合には、所得補償保険は特に必須となる保険だといえるでしょう。

特に開業医となると毎月の固定費も非常に大きく、なんらかの経済的ケアをしておかなければすぐに資金繰りが厳しくなることもあります。

 

通常の医療保険は、入通院の日数に合わせて保険金が決まることが多いといえます。

しかし所得補償保険では、医師の指示で療養している期間も補償対象になる点が大きな特徴です。

 

所得補償保険に加入するメリットは、実際の補償を受けられることだけではありません。

「万一の際にも、とりあえずお金はなんとかなる」と安心感が得られることは、事業をしている方にとっては大きな魅力でしょう。

 

休診時のリスクマネジメントも必須

 

長期休診を余儀なくされる場合、自身の経済的保障だけでなく医院継続資金についてもなんらかの対策をしておかなくてはなりません。

 

長期休診は院長の病気だけでなく、自然災害や火災による被害、交通事故による被害なども挙げられます。

どんなにしっかりとした経営をしていようとも、突然の被害による損失が避けられないことはあります。

医院の固定費は事業ローン返済や人件費などがあり、復旧までに長期間かかってしまうと資金繰りが困難になるでしょう。

 

こうしたリスクに備える方法としては、「店舗休業保険」への加入が考えられます。

店舗休業保険とは、店舗が災害などによって休業した際にその間の粗利益を補償する保険です。

充分な金銭が受け取れるとまではいえないかもしれません。

しかし、それでも復旧までの期間をしのぎ、診療を再開させるまでの資金を得ることはできるでしょう。

 

キャッシュフローの重要性

医院経営においてキャッシュフローの重要性を理解しておくことも、リスクマネジメントと言えるのではないでしょうか。

以下の記事では、医院経営を続けるために必要なキャッシュフローについて詳しくご紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

医院開業におけるキャッシュフローの重要性

 

医院開業時にはリスクマネジメントをしっかりと考えよう

 

いかがでしたでしょうか?

医院を開業する際にはさまざまなリスクが存在するため、可能な範囲で備えていくことが大切です。

 

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