医院開業時に利用できる助成金の種類

2021.12.10

医院を開業するためには、かなりの資金を準備しなければなりません。

物件の確保や医療器具の購入、従業員の雇用などさまざまな面において費用がかかるためです。

開業時にはしっかりと資金計画を立てて、計画的にお金を使っていかなければなりません。

そこで医院開業時に活用したいのが、各種の助成金です。

特に資金が少ない開業時に可能な限りの助成金を活用することで、運転資金に余裕を持たせることができるでしょう。

そのためこの記事では、医院開業時に利用できる助成金の種類について解説します。

ご自身の医院を開業しようとお考えの方は、ぜひともご参考にしてください。

 

トライアル雇用助成金

 

トライアル雇用助成金の概要

支給要件 以下のいずれかの要件を満たし、本人がトライアル雇用を希望した場合

1.紹介日前日から過去2年以内に2回以上離職・転職をしている

2.紹介日の前日時点で離職期間が1年を超えている

3.妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日前日時点で1年以上安定した職に就いていない

4.55歳未満かつハローワークで担当者制の個別支援を受けている

5.就職援助を行うにあたり特別な配慮を要する

支給金額 対象者1人あたり月額最大4万円(最長3か月)
申請先 厚生労働省

 

トライアル雇用助成金は、職業経験の不足やそのほかの事情を理由に就職が困難な求職者の3か月間施行雇用の促進目的とした助成金です。

上記の通り、就業経験が少ない方やブランクがある方の雇用を促進するために、助成金を支給しています。

 

キャリアアップ助成金

 

キャリアアップ助成金の概要

支給要件 7つのコースごとに異なる

例)従業員を有期雇用から正規雇用に転換した場合

支給金額 7つのコースごとに異なる

例)正社員コースの場合(金額は1人あたり)

有期雇用から正規雇用に転換……57万円(72万円)

有期雇用から無期雇用に転換……28万5,000円(36万円)

無期雇用から正規雇用に転換……28万5,000円(36万円)

※カッコ内は生産性の向上が認められる場合の額です。

申請先 厚生労働省

 

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者や短期労働者など、非正規雇用労働者のキャリアアップを促す目的で設けられています。

コースが以下の7つにわかれており、それぞれのコースで支給要件や支給金額を定めています。

 

キャリアアップ助成金のコース

  •   ・正社員化コース
  •   ・賃金規定等改定コース
  •   ・健康診断制度コース
  •   ・賃金規定等共通化コース
  •   ・諸手当制度共通化コース
  •   ・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  •   ・短時間労働者労働時間延長コース

 

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)

 

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)の概要

支給要件 以下の全てに該当する事業主

・雇用保険の適用事業主

・対象労働者をハローワーク、地方運輸局等の紹介によって雇用保険の一般被保険者として雇入れる

・対象労働者を雇い雇用保険の一般被保険者として2年継続が確実

・対象労働者の雇入れ日の前後6か月間に事業主都合の解雇をしていな

・倒産や解雇など特定受給資格者となる離職理由の被保険者数が対象労

働者の雇入れ日における被保険者数の6%を超えていない

・対象労働者の出勤状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類

を整備・保管している

・対象労働者の雇入れ日よりも前に特定求職者雇用開発助成金の支給決定の対象となった者の一定期間における離職率が50%以下である

支給金額 対象労働者によって異なる

例)

・高年齢者や母子家庭の母等……60万円

・身体、知的障がい者……120万円

申請先 各申請窓口

 

高齢者や障がい者、母子家庭の母などの就職困難者の継続雇用を促進するために設けられた助成金制度です。

 

IT導入補助金

 

IT導入補助金の概要

支給要件 所定のITツールを導入した事業者
支給金額 補助率……1/2以下

A類型の場合……40~150万円・補助率1/2以下

B類型の場合……150~450万円・補助率1/2以下

C類型の場合……30~450万円・補助率2/3以下

D類型の場合……30~150万円・補助率2/3以下

申請先 一般社団法人サービスデザイン推進協議会

 

中小企業・小規模事業者などが、自社の課題解決に適したITツールを導入することを促進するために設けられた制度です。

電子カルテシステムの導入も対象となるため、病院経営においてはぜひとも活発に利用したい助成金だといえるでしょう。

 

職場定着支援助成金

 

職場定着支援助成金の概要

支給要件 所定の雇用管理制度の導入や目標離職率の達成などを行った事業者
支給金額 コースによって異なる

例)

制度導入助成金……10万円

目標達成助成金……60万円

申請先 厚生労働省HPにて確認

 

各種雇用管理制度の導入によって、従業員の離職率低下に取り組む事業主に対して支給される助成金です。

また、介護事業者が介護福祉機器などを導入した際にも、支給対象となることがあります。

 

小規模事業者持続化補助金

 

小規模事業者持続化補助金の概要

支給要件 事前に作成した経営計画に沿って行う、販路開拓の取り組み等に対して支給される

ただし、対象となる事業者は、常時使用する従業員が20人以下の法人・個人事業主のみ

支給金額 最大50万円・補助率2/3
申請先 商工会地区では全国商工会連合会HP確認

商工会議所地区では日本商工会議所HPで確認

 

経営資源に制約があり人口減少による需要減少の影響を大きく受ける小規模事業者に対し、生産性の向上を目的として助成する制度です。

たとえばチラシの作成やウェブサイト作成、店舗改装などが、助成の対象となる取り組みだといえます。

 

人材開発支援助成金

 

人材開発支援助成金の概要

支給要件 7つのコースによって異なる

例)

特定訓練コースの場合、OFF-JTやOJTの実施など

支給金額 7つのコースによって異なる

例)

特定訓練コースの場合、OFF-JTやOJTの実施に対して1人あたり760円/時の賃金助成(助成率は45%)

申請先 厚生労働省HPにて確認

 

正規雇用の従業員に対し、職務に関連する知識や技能を習得させるための訓練を実施する事業主を支援するための助成制度です。

有期契約労働者を対象とするキャリアアップ助成金と似ていますが、人材開発支援助成金は正規雇用者を対象とした制度だと区別できます。

以下の7コースがあります。

 

人材開発支援助成金のコース

・特定訓練コース

・一般訓練コース

・教育訓練休暇付与コース

・特別育成訓練コース

・建設労働者認定訓練コース

・建設労働者技能実習コース

・障がい者職業能力開発コース

 

地方再生中小企業創業助成金

 

地方再生中小企業創業助成金の概要

支給要件 雇用情勢がよくない地域において地方再生事業で創業し、労働者を雇用した事業者
支給金額 開業後6か月以内に負担した創業費用の1/3(最大500万円)
申請先 厚生労働省HPにて確認

 

地域再生事業を目的とした個人事業を開業し、従業員を雇用した場合に開業資金や雇用費用を助成する制度です。

地方再生事業とは、失業問題が深刻化している地域における、重点産業分野のことを指します。

重点産業分野は都道府県ごとに異なり、雇用創出や地域活性が期待できる事業を始めた際に助成されます。

 

助成金以外の申請手続き

医院開業時には、助成金の申請以外にも、怠ってはいけない事前手続きがあります。「どこに」「何を」申請すべきかを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

クリニックの開業における事前手続き

 

医院開業に助成金を活用しましょう

 

いかがでしたでしょうか?

この記事を読んでいただくことで、医院開業時に利用できる助成金の種類についてご理解いただけたと思います。

医院開業には大きな費用がかかるため、助成金を活用して運転資金に少しでも余裕を作りましょう。

 

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