小児科を開業するための基礎知識!注意点とポイントを解説

2021.7.29

小児科は、他の診療科目にはない特性をもったクリニックです。
そのため、開業するにあたっては、一般的なクリニックとは異なる点も多くいるため、小児科ならではのポイントをおさえることが必須でしょう。
小児科はターゲットが明確だからこそ、気をつけたい点がたくさんあります。
小児科は保護者同士で口コミが広がりやすい科目といえるでしょう。
医師の技術やスタッフの対応はもちろん、内装や立地についてもうわさになりやすいです。
最近は、SNSが普及していることもあり、よい点も悪い点もあっという間に広まる傾向にあります。
よい評判が広がるように、開業前にしっかりと準備をすることが大切でしょう。
本記事では、小児科を開業するための基礎知識やポイントを、注意点を踏まえたうえで紹介します。

小児科の開業資金

小児科を開業するための開業資金は、規模や診察内容によって大きく変わります。
例えば、新生児も診察するのか、外科や耳鼻科など特定の診療科目に特化するのかといった視点からの検討が必要です。

診察のシステムはもちろん、予約システムを導入するかどうかも費用のわかれ目といえます。
とはいえ、小児科においては子供や保護者に対する配慮が欠かせないため、できる限りスムーズな予約の流れが必須でしょう。
予約システムを導入することで、待ち時間のストレス解消にもつながります。
そのため、できれば予算の中に予約システム導入費用を組み込んでおくことがおすすめです。
また、待合室のキッズルームは必須であり、ベビーベッドや授乳スペースなど小さい子供連れの方が気持ちよく使える工夫も必要です。

小児科を開業したあとのイメージをすることで、必要なアイテムが見えてくるでしょう。
これらを踏まえたうえで、小児科を開業するのにかかる一般的な資金は4,000万円程度が必要だといわれています。

小児科の平均年収

小児科の開業医における平均年収は、一般的に3,000万円程度といわれています。
エリアによって子供の人口が異なるため一概にはいえませんが、子供は大人と比べると病院を受診する頻度が高い傾向にあります。
そのため、大人がかかる診療科目よりも高収入になる可能性が高いでしょう。

とはいえ、昨今の少子化の影響もあり、開業する立地を間違えてしまうと、思うような収入が得られないことも否めません。
社会的には、小児科が不足しているといわれていますが、エリアによっては乱立しているというケースもあるでしょう。

小児科の診療報酬

新型コロナウィルスが蔓延し始めた2020年12月15日の段階で、小児科の外来診療における診療報酬が変わりました。
特に6歳未満の乳幼児を受け入れる外来診療では、より一層の感染予防対策が必要とされるため、クリニック側にコストがかかることを鑑みたうえでの対応です。

また、2020年度の診療報酬改定において、小児科のかかりつけ医機能が定めらました。
小児かかりつけ診療料を届け出ると、「機能強化加算」をすることが可能です。
昨今のいろいろな改定によって、小児科の診療報酬に加算される点数は若干増加傾向にあります。

小児科の内装や必要な広さ

一般的に小児科を開業するにあたって必要とされるスペースは、30〜50坪程度といわれています。
とはいえ、導入するシステムや受け入れる利用者の人数によって異なるため、どれくらいの規模のクリニックにするかを考えることが欠かせません。
また、内装については他の診療科目に比べると決めることがたくさんあります。
小児科における内装のポイントを、項目ごとにまとめていきましょう。

動線が大切

大人が利用する内科と比べると、小児科は感染しやすいウィルスや細菌などが多いのが特徴です。
例えば、水ぼうそうや溶連菌などは、子供だからこそかかりやすい感染症でしょう。
また、小児科を利用する子供は、必ずしも感染症に罹患しているとは限りません。
中には、予防接種を受けに来る人や別の病気で訪れているというケースも多いでしょう。
そのため、感染症に罹患している利用者と接触をしないような動線を設けると親切です。

具体的な例としては、待合室や診察室を分けるという方法があります。
そのうえで、医師やスタッフがスムーズに行動できる動線を考えることは欠かせません。
こういった小さな配慮ができている小児科は、評判がよくなる傾向にあるでしょう。

衛生面について

小児科の中でも、小さな子供を診療する場合は、一段と衛生面を考えて床や設置物にも注意する必要があります。
できるだけ、土足ではなく裸足で入れるような環境が理想的でしょう。
衛生面を保つために、床や壁、椅子などに抗菌素材を導入するのも一つの手段です。

赤ちゃんや子供を意識した内装

小児科を訪れる赤ちゃんや子供のために、内装は転倒や怪我を予測して対策をしておくことが大切です。
例えば、受付やカウンターの角をとり、丸みのある形にするとよいでしょう。
そのほか、玄関の高低差で転落しないように段差を無くしたり、ドアをゆっくり閉まるスライドやタッチパネルで開閉する自動ドアにしたりしてリスクを回避することもおすすめです。

また、内装だけではなく駐車場についても配慮する必要があります。
子供が飛び出たりしないような工夫や通行する車や近隣の住民に対するわかりやすい注意喚起も大切です。

待合室のこと

どの診療科目においても待ち時間を意識した内装は欠かせないポイントです。
特に小児科の場合、赤ちゃんや子供達がリラックスできるような空間にすることが大切でしょう。

あまりにも無機質な空間にするよりも、無垢素材を使ったりパステルカラーを取り入れたりして優しい印象にするのも一つの手段です。
そのほかにも、おもちゃや絵本、テレビモニターなども用意しましょう。

また、処置室や診察室での泣き声が待合室に響くと、待合室にいる子供に恐怖を抱かせてしまう可能性も否めません。
そのため、できるだけ待合室は防音設備を導入することが重要です。

家具も大切

お子様が病院にもつ恐怖を和らげるためには、内装だけではなく家具も大切です。
待合室に設置する家具だけではなく、診察室でも無垢素材にしたりカラーリングを子供向けにしたりするといった一工夫をするだけでリラックスしてもらうことができるでしょう。

開業立地のポイント

小児科の大きな特徴として、地域密着型という点が挙げられます。
特に、乳幼児から診察をする場合は、ある程度成長するまでの10年近くにわたって関わりをもつケースも多いでしょう。
そのため、小児科を開業するうえでは、住宅地に近いエリアを選ぶことが大切です。
開業する前に、候補地がファミリー層の地域かどうか、通いやすい立地にあるかをしっかりと検討する必要があります。

また、薬を受け取る場合のことを考えて、薬局との距離感も大切でしょう。
お子様連れでの移動は非常に大変です。
そのため、小児科と薬局が近くにあると大変喜ばれます。

医院開業物件一覧

開業立地のポイントを理解できたところで、実際にどのような物件があるのかイメージを膨らませることも重要です。
医院開業物件一覧はエリアや診療科目だけでなく、物件の募集状況も見ることができます。ぜひご参照ください。

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小児科を開業するなら具体的なイメージをすることが大切

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、小児科の開業におけるポイントがおわかりいただけたと思います。

小児科の開業で成功を納めるためには、立地や心配りがなによりも大切です。
開業をする前に、しっかりとリサーチやイメージをすることをおすすめします。

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