皮膚科の医院開業をするための基礎知識!ポイントや注意点を紹介

2021.7.29

皮膚科といっても、その診療内容は様々です。
特に最近は、美容皮膚科という概念も浸透しており、一般皮膚科と美容皮膚科のどちらの機能も兼ねて開業するケースも増えています。
そのため、どのような診療をおこなうのかによって皮膚科の開業ポイントは異なってくるでしょう。
スムーズに皮膚科を開業し、なるべく早く軌道に乗せるためにも、準備の段階からしっかりと注意点を把握しておくことが大切です。

本記事では、皮膚科を開業するための基礎知識を、ポイントや注意点を踏まえたうえで紹介しています。

皮膚科の開業資金

皮膚科を開業するにあたっては、基本的に物件にかかる費用と設備費用が必要となります。
新築や賃貸物件など、どのような形態で開業するかによっても費用は大きく異なるでしょう。
とはいえ、設備費に関しては、おおよそ同じ条件となってきます。
皮膚科を開業する際にかかる費用の内訳を知ることで、全体的な開業資金の目処が立てやすくなるため、ひとつずつ紹介していきましょう。

設備費

物件にかかる費用と同じく、皮膚科における開業資金の大半を占めるのが設備費です。
とはいえ、ほかの診療科目で必要となるレントゲンやCTといった大掛かりな設備は必要ありません。
ただし、美容皮膚診療を取り入れる場合は、レーザー治療をするための機器が必要となってくるでしょう。
こういった専門的な機器は、非常に高額で1,000万円以上かかる場合もあります。

広告宣伝費

皮膚科医は一般的に「マイナー医」と呼ばれる部類にあたり、実質的な医師の数はそこまで多いとはいえません。
しかし、美容に関する皮膚医療は人気が高まっており、エリアによっては同業他社が多く存在する可能性はあるでしょう。
そのため、顧客を獲得するためには広告が非常に大切です。

一般皮膚科はもちろん、美容皮膚診療においては広告の力を頼らなければならないでしょう。
最近は、レーザーでのシミ取りや美肌にするための施術を受ける女性も増えています。
うまく宣伝をおこなうことで、安定した運営につながる可能性が高まります。

人件費

皮膚科のほとんどは、受付やスタッフなどを抱えた複数人での運営となっています。
全体のランニングコストの中でも、多くの割合を占めるのは人件費といえるでしょう。
軌道に乗るまでは、余裕のある経営をおこなうのは難しい可能性もあります。
資金繰りはできるだけ余裕を持っておこない、軌道に乗るまでの間の補填ができるようにしておきましょう。

皮膚科の平均年収

皮膚科の開業医は、治療内容によって異なるものの約2,600万円程度が平均年収といわれています。
美容皮膚診療の分野を取り入れることで、自由診療をおこなうことができると、より年収を上げられる可能性はあるでしょう。

また、入院診療がほとんどない科目であり、緊急性の高い診療も少ないことから、うまく軌道に乗せることができれば稼ぎやすい科目ともいえます。

皮膚科の診療報酬

皮膚科は、一般的な皮膚治療において保険診療をおこないますが、美容皮膚診療においては自費診療をおこなうのが基本です。
例えば、診療報酬が認められる症状は、アレルギーや基礎疾患などによるものが該当します。

一方で、シミの除去を含む美容目的の施術は自費診療となります。
しかし、次のような症状は診療報酬が認められる可能性があります
いくつかある症状の中で、主なケースを紹介しましょう。

眼瞼下垂

上瞼が垂れ下がることが原因で、視界が遮られる症状のことを表します。
生まれつきの筋肉発達異常によるものか、加齢によるものが一般的な原因です。
この症状で診療報酬が適用されるのは、視界が確保できなくなっている場合に限ります。

シミ

一般的には美容皮膚科にあたる自費診療ですが、一部保険が適応となるケースもあります。
皮膚腫瘍や母斑は、薬事承認を受けたレーザー機器を使用します。
この場合は、保険適用となり診療報酬が発生します。

巻き爪

巻き爪は、生まれつき爪が薄い人がなりやすく、つま先で炎症を起こしてしまう症状です。
また、深爪も巻き爪の大きな原因のひとつになっています。
基本的に巻き爪は保険適用となっていますが、人工爪を使ったり、ワイヤーを取り入れたりする場合は自費診療となるでしょう。

皮膚科の内装や必要な広さ

皮膚科は、どのような診療をするかによって必要となる内装や広さが異なります。
特に、美容皮膚診療を取り入れる場合は、大きく条件が変わってくるでしょう。
それぞれのケースを踏まえたうえで、項目別に必要なポイントをまとめていきます。

必要な広さについて

一般的に、保険適応の診療のみをおこなう皮膚科の場合は、25~30坪程度あれば問題ないでしょう。
しかし、美容皮膚診療の場合は、大きな機器を入れることもあり50坪以上を要することも考えられます。
どのような機器を導入して診察内容はどうするのかをまとめたうえで、必要な広さを検討することが大切です。

プライバシーを大切にした内装

美容皮膚診療を取り入れた診療をおこなう場合、内装はプライバシーに配慮する必要があります。
そのため、処置室の数を多めにするようにしたほうがよいでしょう。
また、待合室も自費診療と保険診療とで分けたほうが、より一層親切だといえます。
とはいえ、そこまでの配慮は難しいケースがほとんどでしょう。
そうした場合は、パーテーションやカーテンで分けるなど、工夫を施す必要があります。

パウダールームが必要

一般的な皮膚科では問題ありませんが、美容皮膚診療を取り入れる場合はパウダールームが必須となります。
基本的に、施術はメイクを落としておこなうものの、帰りには再びメイクをしたいという患者が多いためです。
プライバシーを確保した状態でパウダールームを設置しておくと、非常に親切だといえるでしょう。

照明について

皮膚科は、待合室とパウダールーム、診察室で照明のタイプを変える必要があります。
特に、診察室は自然光での見え方も踏まえて調光できる設備を備えると安心です。
また、待合室は柔らかな照明にして、患者の不安を軽減できるように心がけましょう。

開業立地のポイント

皮膚科を受診する人の多くは、複数回受診するケースがほとんどです。
また、仕事帰りや業務の合間に皮膚科に立ち寄るという人も多いでしょう。
こういった背景を踏まえると、オフィス街や駅からアクセスのよい立地は外せません。
さらに、美容皮膚診療を導入するとなると、プライバシーの観点から2階以上のテナントを利用する、表通りに入り口を配置しないといった配慮も必要です。

一方、一般的な皮膚科に重きをおく場合は、アトピー性皮膚炎やアレルギーの対応が多くなります。
子供が受診するケースも増えることから、住宅地に近いエリアに開業するほうがよいでしょう。

医院開業物件一覧

開業立地のポイントを理解できたところで、実際にどのような物件があるのかイメージを膨らませることも重要です。
医院開業物件一覧はエリアや診療科目だけでなく、物件の募集状況も見ることができます。ぜひご参照ください。

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皮膚科を開業するなら事前の準備とシミュレーションが大切

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、皮膚科を開業するためのポイントや注意点がおわかりいただけたと思います。

皮膚科を開業する前に、しっかりとシミュレーションをおこなったうえで準備をすることが大切です。
どのような診療を手がけるかをまとめたうえで、スムーズな開業を目指していきましょう。

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